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令和2年 4月21日
令和2年4月臨時県議会 知事発言要旨

令和2年4月臨時県議会 知事発言要旨

 新型コロナウイルス感染症対策について、本県におけるこれまでの対応状況と今後の取組について御報告申し上げます。対策に当たっては、一瞬で状況が悪化することが十分にあり得るという危機感を持って臨んでいます。感染症患者への対応だけでなく、重病の入院患者や日常的な救急医療など、まさに命と向き合っているのは医療現場であり、それを懸命に支えている医師や看護師などの医療従事者の皆様に心から感謝し、最大限の敬意を表します。医療体制を堅持していくことが、今は最重要という考えの下で、保育や学校、放課後児童クラブなど社会全体のシステムを極力維持していくための努力を重ねています。
 県内では、3月13日に初めて感染者が確認されて以降、現時点で594件のPCR検査を実施し、17件の陽性が確認されています。感染が確認された場合は、速やかに入院措置を行うとともに、行動歴の聞き取りによって濃厚接触者を特定し、PCR検査を実施しています。また、濃厚接触者のみならず、幅広に「念のため検査」も実施し、陰性の確認を行っています。その上で、検査結果が陰性の場合でも、2週間の行動自粛や健康観察を要請することで、感染拡大の防止に全力を注いでいます。
 これまでの感染事例については、断定は難しいものの、その感染源の全てが東京や福岡など県外で感染したものと推定しており、その後の感染の広がりも見られないことから、1つ1つの封じ込めを確認しています。このことは、感染された方が、行動歴を速やかに教えていただいたことが大きな要因になっています。佐賀県は、人と人が慈しみ合う素晴らしい県です。誰もが感染リスクがある中、感染が疑われる方が、手を挙げることを躊躇(ちゅうちょ)してしまうような、個人情報を詮索する心無い行動や、差別や偏見を生むような悲しい行為は絶対に避けていただきたいと思います。
 感染の拡大を止める対策は、国家的な危機管理として、国を挙げて取り組む必要があります。政府は、今月7日に7都府県に出していた緊急事態宣言の対象区域を16日には全国へと広げていますが、ゴールデンウィークまでの間、全国的に人の移動を止め、終息に向けためどをつけるという強い覚悟を示していかなければなりません。
 学校の休校が議論になりますが、私は子供ではなく、責任ある大人の行動が未来を決めるものと考えています。県民の皆様には、特に、福岡県などの感染が拡大している地域との移動を控えていただくとともに、極力、人との接触を減らし外出を自粛していただくよう呼びかけています。また、都市圏を抱える知事に対して、県境を越える人の移動を抑えることに全力を挙げていただくよう要請いたしております。本県においても、こうした対策の実効性を高めるため、特定の事業者に対して休業や営業時間短縮の要請を行うことといたしました。休業等により事業者は更に厳しい状況に置かれることから、要請に応じていただいた事業者には休業支援金を交付することとしています。この支援金は、事業者ごとではなく、店舗ごとに対応する本県独自の制度であり、原則として、明日22日から5月6日までの期間、休業等を行った事業者には、一店舗につき15万円を店舗数に上限を設けることなく交付してまいります。交付金の使途を、家賃など特定のものに限定しないことで、事業者にとって使い勝手のよい制度にしていきたいと考えています。今回の支援は、休業要請と同時に、緊急的に発表したものであります。様々な地域が、事業者が、生産者が、現場が傷ついています。今後、更にチーム佐賀として、県議会の皆様と共に、現場の様々な声をお聴きしながら、更なる支援につなげてまいります。
 移動の自粛や店舗の休業等を要請することは、県民の皆様に大きな御不便や御負担をおかけすることになりますが、感染を広げないという強い気持ちで、佐賀県民一丸となってワンチームで、この難局を乗り切っていきたいと考えています。
 次に、県立学校について申し上げます。
 これまで、社会全体のシステムを極力維持することと、子供たちの心身の健康を考慮し、県立学校を春休み明けから再開してきました。そうした中、今回、緊急事態宣言が全国へと広げられたことを機に、ゴールデンウィークまでの間、大人も子供も移動を止めるという強い覚悟で、本日から5月6日までを臨時休校することとし、市町の小中学校などにも同様の対応を要請いたしました。長期の休校によって、本来、人との交流の中から学び、成長していく子供たちに、人との接触を制限することは、とても切ない思いです。子供たちには我慢を強いることになりますが、心身の健康に留意して過ごしていただき、休校明けには元気な顔を見せてほしいと考えています。
 次に、医療体制について申し上げます。
 感染者の確認が続く中において、何よりも大事なのは通常の医療体制を維持することであり、最前線で頑張っている医療従事者を守ることが県民の生命線だということを意識して、今後とも、先手、先手を心掛けて全力で医療現場を支えてまいります。今後、感染者が増加した場合にも対応できる医療体制を構築するためプロジェクトMをスタートしています。この取組は、県が医療提供体制強化本部を設置して、県内の感染症指定医療機関や救命救急センターの医師らと連携して進めているもので、既に、感染症に対応できる病床を、当初の24床から約2倍となる50床を確保しており、さらに、一般病院の協力を得て100床まで増やすこととしています。病床の運用についても、医療機関が相互にそれぞれの役割を確認した上でネットワークを構築し、重症、中等症、軽症といった患者の状態に応じて入院先や転院先を決める枠組みを新たに設けています。加えて、軽症や無症状の方の滞在施設として、休眠病棟や宿泊施設を活用することとし、その一つとして佐賀駅北側にある「アパホテル佐賀駅前中央」の約230室を確保いたしました。これにより、特に感染症指定医療機関においては、重症や中等症などの患者の治療に力を注ぐことができるようになるため、医療現場の疲労感を少しでも軽減できるものと考えています。また、人工呼吸器、医療用のマスクやガウンなどの医療資機材については、県が全体の必要量を把握し、確保、融通できる仕組みを作り上げてまいります。こうした取組を通じて、できるだけ先回りする形で備えを強化してまいります。
 次に、県立高校でのオンライン教育の導入に向けたチャレンジについて申し上げます。
 生徒の自宅と学校をつないで学習できる環境を作ることは、危機事象の際の学校教育の対応力の強化につながると考えています。そこで、全ての県立高校で一人一台パソコンを唯一実現している本県の強みを活かして、インターネットを利用して自宅で授業が受けられる環境を整備するためプロジェクトEに取り組んでいます。これまでに、試験的に学校と生徒の自宅を結ぶなどによるオンライン授業を行っており、今後、臨時休校の期間中においても試行錯誤を重ねながら他の高校へも広げるとともに、平時でも活用していくことで、いざというときにオンラインでの授業がスムーズにできるよう準備を進めてまいります。
 新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急対応に係る予算については、先の2月議会において御承認いただきましたが、その後の状況の変化に迅速に対応する必要があるため、感染防止対策や医療体制の整備、厳しい状況にある事業者などへの支援と併せて、国の経済対策を活用した取組の取りまとめを進めています。今後、適切な時期に補正予算を提案させていただきたいと考えています。
 感染の拡大防止には、一人一人の感染を広げないという意識と行動が大変重要です。県民の皆様には、ゴールデンウィークを前に、改めて次のことを心掛けていただきたいと思います。外出は、日常生活に必要な最小限のものにとどめ、基本的に自宅で過ごしてください。通院や食料品の買い物など最小限の外出も、密閉、密集、密接の条件が重なる3密の環境を避けてください。発熱や風邪の症状がある場合は、自宅待機を徹底し、感染が疑われるときは、各保健福祉事務所に設置している「帰国者・接触者相談センター」へ電話で相談してください。
 また、感染予防対策としてのイベントの中止や外出の自粛の影響などにより、県内経済は非常に厳しい状況にあります。県では、中小企業・小規模企業者を対象に、融資の際の保証料の全額補助に加えて、3年間の利子全額補給により資金繰りを支える制度をいち早く設けています。また、国においては、雇用の維持を支える助成金が拡充されたほか、事業の継続を支えるための持続化給付金も予定されています。全国一律の制度である国の支援策では対象にならないケースも想定されるため、事業者の実情に応じて県独自の支援策も検討してまいりたいと考えています。小さなお店で日々の生計を立てている事業者の中には、融資などの相談に不慣れな場合もあり、どこにどのような相談をすればよいのか分からないという方もいらっしゃると思います。県では、金融機関や商工団体と連携し、支援制度の紹介や利用手続について丁寧な説明を行うなど、厳しい状況にある事業者の皆様に寄り添い全力で支えてまいります。県民の皆様には、こういうときだからこそ、佐賀の生産者や事業者のことを想い、いつにも増して「佐賀のものを買おう」、「佐賀で消費しよう」という意識を、どうか持っていただくようにお願いいたします。皆、傷ついています。国の10万円の給付金についても、「受け取って、地域の苦しい人を助ける」といった考え方もあってよいのではないかと思います。
 新型コロナウイルス感染症対策は、これからが正念場であります。県民の皆様が、互いを慈しみ、力を合わせ、県議会の皆様や市町の皆様などと一丸となって行動し、この難局を乗り越えていけるよう、チーム佐賀で頑張ってまいりましょう。